2010.8.05 uodate  連載記事
特別講義02  Q&A 

Qーーヨコヲノ森の構造塾、特別講義の目的はなんでしょうか?
Aーー
構造塾と謳っている訳なので、構造家に焦点をあてています。
大半のメディアでは、構造の解説は記載があっても、設計思考やデザインプロセスなどは、あまり浮き彫りにはされません。そうした事が発端にもなって、構造家各人の個性が伝わりにくいと実感しています。

例えば、あるプロジェクトについて話す時、建築家と構造家はおおよそ話す内容が違うし、興味の方向性さえも違う場合があります。構造計算は目指す仮定が違えば、表れる答えもおのずと変わってきます。その仮定こそが構造家の個性であり、こだわりの部分な訳です。

そのため構造家の個性を浮き出させるために、敢えてこのレクチャーでは建築家と構造家が同じプロジェクトを語らない事を縛りとし、その仮定とおもわれる部分を探るお話をして頂く事が重要だと考えています。


Qーー第二部に懇談会とありますが?
Aーー

これは、レクチャーをされる方とはもちろん、参加者同士が交流できる場所になればよいと思っています。交流といっても、レクチャーの感想を話すだけでなく、もっと密度の濃い話ができる場所です。

例えば構造設計料といった下世話な話もあれば、構造設計を依頼する時はどのようにアプローチすればよいかなど、建築家にとっては話し辛い話題も歓迎しています。

スタッフの応募やインターン希望など、人材を確保する場所として利用されてもよいかと思います。上記が前提である事は、レクチャーをされる構造家、建築家には了承を得ております。



Qーー構造家だけではなく、建築家も同時にレクチャーするのはなぜですか?
Aーー
目的は2つあります。
1つは聴講者の幅を広げるためです。常日頃から、構造家のレクチャーには構造系の方が、建築家のレクチャーには意匠系の方が多く集まりがち。学生も同じですね。構造っておもしろいし、もちろん意匠だっておもしろい。この講義では構造系、意匠系それぞれの方が、お互いの垣根をこえた興味を持つキッカケになるような場であることを期待しています。

もう1つは 、参加される聴講者は若い建築家やそこで働いているスタッフの方々が大半です。 特に学生の参加者は、そうした方々とこの場を通して積極的に会話をして、将来のコネクションを作りにくるくらいの意気込みで参加してくれればと思います。
さらには、意匠系の学生で構造を勉強したいと思っている人達には、普段なかなか接触しにくい構造家へ直接アプローチできる数少ない機会だと思います。



Qーー定員を30名にしているのは、なぜですか?
A――借りられる会場が狭いからです、、というのは半分冗談ですが、ゼミのような雰囲気でレクチャーを進めたいと思っているからです。話す人と聞く人という関係ではなく、もっとフラットに議論や質問ができるような場の雰囲気を演出できればと思っています。
懇談会でレクチャーされた方と参加者全員がじっくりお話できるということにも配慮しています。



<終>



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